学校広報におけるSNS活用とは?オウンドメディアとして考える
2026.06.04(木)

学校広報において、SNSは受験生との欠かせない接点のひとつになっています。
Instagram、X、TikTok、YouTube、LINE公式アカウントなど、
受験生や保護者とつながる手段は多様になりました。
一方で、SNSを運用している学校の中には、
「投稿はしているが、成果につながっている実感がない」
「発信内容をどうしたらいいかわからない」
と感じているケースも少なくありません。
SNSを始めてみたものの、目的が整理されないまま、
運用が続いてしまうことがあります。
本来、学校SNSは単なる情報発信ツールではありません。
受験生が学校を知り、興味を持ち、理解を深め、説明会や資料請求など
次の行動へ進んでいってもらうための接点です。
つまりSNSは、学校の魅力を届ける
オウンドメディアの一部として考えていくことが重要です。
ここでは、学校広報におけるSNS活用の考え方を整理しながら、
各SNSや動画、LINEなどをどのように位置づけていけばよいのかを見ていきます。
1. 学校SNSは「目的」から考える
SNSの運用をはじめると、投稿頻度やフォロワー数に目が向きがちです。
もちろん、継続して発信することや、見てもらえる人を増やすことは大切です。
しかし、それだけでは学校広報として十分に機能しているとは言えません。
重要なのは、SNSを通して、
受験生にどのような印象を持ってもらいたいのかを考えることです。
まず学校を知ってもらいたいのか。
日常や雰囲気を伝えたいのか。
説明会参加や資料請求につなげたいのか。
目的によって、投稿内容や見せ方、運用方法は変わります。
学校の日常に触れてほしいのであれば、
授業風景や行事など、“自校らしさ”が伝わる投稿が適します。
一方で、説明会への参加につなげたいのであれば、
説明会情報や参加前の雰囲気を伝えるなど、説明会参加につながる発信が重要になります。
SNSは、定期的な“更新作業”として続けるだけでは成果につながりにくいものです。
どのような目的を持ち、誰に何を届けたいのか。
そうした整理があってはじめて、投稿内容にも一貫性が生まれます。
学校広報におけるSNS運用の考え方について、
より詳しく知りたい方は、以下の記事でまとめています。
学校SNSは「目的」で“運用”が変わる
https://monolith-j.com/column/s_017/
2. “学校らしさ”を、少しずつ伝える役割を持つ
今の受験生は、学校案内や説明会だけで志望校を決めているわけではありません。
SNSで日常の雰囲気を見たり、動画で学校行事の空気感に触れたり、
LINEで説明会前後の情報を受け取ったりしながら、志望校を見ています。
そうして、徐々に、段階的に「自分に合いそうな学校」を決めていくのです。
そのため、SNSでは“情報を正しく出すこと”だけでなく、
どのような学校なのか、何を感じ取ってほしいのかを考えることが大切です。
学校行事の投稿でも、行事の写真を並べるのか、
生徒の表情や先生とのやり取りを通して、学校の雰囲気が伝わる見せ方をするのか。
また、入試情報の告知でも、ただ日程を伝えるのか、
当日の雰囲気や参加時のポイントを添えるのか。
こうした伝え方の違いによって、受験生や保護者が受け取る印象は変わります。
SNSは、学校の考え方や雰囲気、日常の温度感が自然とにじみ出る接点です。
だからこそ、“この学校らしい”と感じられる発信を積み重ねていくことが重要になります。
3. “出会う”だけでなく“つながる”こともできる
SNSで学校を知ってもらうことはもちろん大切です。
一方で、媒体によっては受験生や保護者と
継続的につながっていく接点になりやすいものもあります。
たとえばLINEは、説明会前後の案内や、出願時期の情報提供など、
受験生や保護者に直接情報を届けながら、関係性を築いていくことができます。
ただし、単なる連絡ツールとして使ってしまうと、
受験生や保護者との距離は縮まりにくくなります。
登録してもらった後に、
どのような情報を届けるのか。
いつ、何を案内するのか。
次にどの接点へつなげるのか。
こうした視点を持つことで、“読む意味のある接点”として機能していきます。
また、相手の状況に合わせて情報を届けていくことで、
受験生や保護者とのつながりを育てていくこともできます。
SNSの中でも、とくにLINE運用について知りたい方は、
以下の記事で詳しく整理しています。
学校広報におけるLINE運⽤のポイントを解説
https://monolith-j.com/column/s_018/
4. “まだ知られていない層(潜在層)”と出会うという考え方
学校広報では、すでに学校に興味を持っている受験生に情報を届けることも大切です。
ただ、それだけでは新しい受験生との出会いは広がりにくくなります。
今の受験生は、学校名を検索する前に、SNS上で学校と出会っていることもあります。
おすすめに流れてきた動画をきっかけに、
「なんとなく気になる」
「少し見てみたい」
と感じたことが、学校への興味につながっていくケースも増えています。
その中でTikTokは、“まだ学校を知らない層(潜在層)”とも出会いやすいSNSです。
おすすめに動画が表示されることで、
まだ学校名を知らない受験生にも届く可能性があります。
つまりTikTokは、「調べる前」に学校を知ってもらうきっかけになりやすいのです。
ここで重要なのは、丁寧に情報を伝えることではなく、
一瞬で「気になる」と思ってもらうことです。
そのため、学校行事の雰囲気や部活動の日常、先生と生徒の距離感など、
短い時間でも“学校らしさ”が伝わる内容が向いています。
必ずしも言葉で説明する必要はありません。
BGMに合わせて日常の様子を見せるだけでも、
学校の空気感や雰囲気を感じてもらうことができます。
学校広報におけるTikTok活用について、
より詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
学校広報は“まだ知られていない層(潜在層)”にどう届けるか
https://monolith-j.com/column/s_019/
5. “学校の空気感”をより深く届ける
学校の魅力を言葉だけで伝えることに、難しさを感じたことはないでしょうか。
教育方針やカリキュラム、進学実績などは、文章や数字で説明しやすい情報です。
一方で、先生と生徒の距離感や学校の日常、そこから感じられる温度感は、
文章や写真だけでは伝わりにくいこともあります。
だからこそ、学校の魅力を伝える手段として、動画活用が注目されています。
表情や声のトーン、動きなど、複数の情報が自然と重なることで、
学校らしさを感じ取りやすくなります。
受験生は、偏差値や進学実績だけでなく、
「自分に合いそうか」
「ここで過ごすイメージが持てるか」
といった感覚も含めて、志望校を選んでいます。
動画は、単なる学校紹介ではなく、
「自分に合いそうな学校」という印象を育てていく土台にもなっていきます。
また、「どんな学校なのか」を、誰に、いつ届けたいのかも大切です。
目的によって、動画の見せ方や届け方も少しずつ変わっていきます。
まだ学校を知らない受験生には、まず学校の雰囲気を。
説明会参加を検討している層には、実際に通うイメージを。
このように、受験生の状況に合わせて動画を届けることで、
学校への印象も少しずつ積み重なっていきます。
動画をどのように活用し、受験生に届けていくのか。
その考え方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
学校の魅⼒は、“空気感・温度感”で伝わる
https://monolith-j.com/column/s_020/
6. SNSをオウンドメディアとして考える意味
SNSは、媒体ごとに役割が異なります。
それぞれをバラバラに運用するのではなく、学校広報全体の中で、
接点ごとの役割を整理しながら、次の接点につながる形で活用していくことが重要です。
ここでいう【オウンドメディア】とは、
自校で情報を発信しながら、受験生や保護者との接点を育てていく考え方のことです。
TikTokで存在を知ってもらい、
Instagramや動画で雰囲気に触れてもらう。
LINEで説明会や資料請求につなげ、印象を深めていく。
接点がつながることで、学校ごとに伝えたい価値や“学校らしさ”も
一貫して伝わりやすくなります。
SNSを【オウンドメディア】として考えながら運用していくことで、
受験生にとっても、“なんとなく良さそう”で終わらず、
志望校として選ばれる可能性が高まっていきます。
7. まとめ|SNSは“点”ではなく“流れ”で考える
これからの学校広報では、単に情報を発信するだけではなく、
受験生に学校を知ってもらい、興味を持ち、
志望校として選んでもらうまでの導線を意識することが重要です。
SNS運用も、その流れをつくるための“体験設計”の一部として捉える必要があります。
なんとなく動画を見たことがある。
SNSで学校行事の様子を見た。
LINEで説明会の情報を受け取った。
こうした小さな接触が積み重なることで、
学校への印象は少しずつ形づくられていきます。
重要なのは、SNSを“点”ではなく、“流れ”で考えることです。
受験生は、ひとつの情報だけで志望校を決めているわけではありません。
学校を知り、興味を持ち、雰囲気や考え方に触れながら、
「自分に合いそうか」を確かめるように志望度を高めていきます。
だからこそ、SNSも単発の投稿として考えるのではなく、
受験生に“学校らしさ”が一貫して伝わるよう、流れを意識することが大切です。
SNSでは親しみやすさを感じたのに、LINEの配信文は少し距離を感じる。
動画では楽しそうだったのに、説明会後の案内は少し事務的な印象を受ける。
そんな小さな違和感が積み重なると、
受験生の中で“その学校らしさ”が見えにくくなり、
結果として、思い出されにくくなってしまいます。
SNSを単なる“更新作業”としてではなく、学校らしさを少しずつ届け、
受験生との関係性を育てていくオウンドメディアとして考えること。
そうした積み重ねが、最終的に志望校として選ばれやすくしていきます。
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