私教育新聞121号【私教育最前線】森 弘達氏 私学こそ探究を学びの中心に⑩「探究でディベートに取り組む~政策ディベートを通じた課題解決学習~」

2024.08.28(水)

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私学こそ探究を学びの中心に⑩

「探究でディベートに取り組む~政策ディベートを通じた課題解決学習~」

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 日本には高齢化と人口減少、経済的地位の低下、経済的格差の拡大、カーボンニュートラルへの対応の遅れなど多くの社会課題があります。また、政治資金問題をはじめ政治家自身の問題などにより政治が停滞し、国民の政治不信も高まっています。課題の解決は先送りされ、国民の政治的無関心も問題です。国民は政治家に任せて文句を言うばかりでは、課題は解決しません。国民は、政策について主体的に考え、判断することが求められます。そのためには、子どもの頃から探究で社会課題や政策について調べ、討論することが大切です。今回は、「政策ディベートを通じた課題解決学習」「政策ディベートを学ぶ意義」「本当のディベート力を身につけること」「ディベートで最も大切なこと」について述べます。

政策ディベートを通じた課題解決学習

 政策ディベートを次の方法で行います。

⑴ 政策論題の選定
社会課題が具体的で、解決策が考えられるテーマを選びます。例えば、立法改革、行政改革、司法改革、環境政策、エネルギー政策、教育政策、社会保障政策、労働政策などが挙げられます。


⑵ 情報収集と分析
社会課題についての情報を収集し、その問題がなぜ発生しているのか、そして、どのような影響があるのかを考えます。ここでは、様々な情報源を活用して、客観的かつ多角的な視点を持つことが大切です。


⑶ 立場の決定とチーム分け
ディベートの参加者を肯定側と否定側の立場に分けます。可能であれば、参加者が肯定側と否定側の両方を経験することがのぞましいです。


⑷ 議論の準備
各チームは、自分たちの立場を支持するための論点を準備し、具体的なデータや事例などの証拠資料を収集します。また、相手の主張を予測し、それに対する反論も準備します。


⑸ ディベートの実施
ルールとフォーマットに則ってディベートを行います。ここでは、肯定側立論⇒否定側質疑⇒否定側立論⇒肯定側質疑⇒否定側第一反駁→肯定側第一反駁⇒否定側第二反駁⇒肯定側第二反駁というディベート甲子園のフォーマットとルールを活用します。


⑹ ディベートの勝敗
メリットがデメリットを上回れば……

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