【私教育新聞第136号】教育を変える。未来が変わる。|池森英雄氏「石は、ぶつかり合って玉になる―AIの時代に、生身の力をどう鍛えるか―」

2026.10.30(金)

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【教育を変える。未来が変わる。】
「石は、ぶつかり合って玉になる―AIの時代に、生身の力をどう鍛えるか―」

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変わる、変わると言われ続けた世界が、ついに動き出した
 情報化社会という言葉を聞くようになって、ずいぶん経ちます。
Society 5.0が掲げられてからも、私たちは「世界が変わる、変わる」と言われ続けてきました。
正直に申し上げれば、長いあいだ、それは少し先の話に聞こえていました。
 今は違います。多くの方が、変化を肌で感じ始めているはずです。
 悲しいことですが、いちばん分かりやすい形で現れたのは戦場でした。
ロシアとウクライナの戦争で、ドローンが戦局そのものを左右しています。
人間が乗らない機械が、戦争の常識を書き換えた。
技術の到達点が、最も残酷な場所で証明されています。
 経済の側も同じです。半導体をどこが押さえるか。電力をどう確保するか。
データセンターをどこに建てるか。日々流れてくるのは、この三つの奪い合いです。
かつての資源は石油でした。今は演算能力と電力です。国家の力の測り方そのものが変化しました。
 直近で最も注目しているのが、フィジカルAIです。AIがロボットに載る。
画面の中で言葉を返していた知能が、体を持って現実世界に出てきます。
工場に、物流に、介護の現場に入ってくる。
これまで「人にしかできない」とされてきた仕事の輪郭が、根本から引き直されようとしています。
 Society 5.0という言葉が指していたのは、まさにこの光景でした。
これまでの常識が一変する時代に、私たちはもう入っています。
教育に携わる者として、この認識から目を逸らすことはできません。

テーマ探究とマイ探究を、どう組み合わせるのか
 この変化を前に、国も動いています。2030年から実施される新しい教育課程が示されました。
 小学校から情報の学習が始まります。小中高を通じて、
情報教育に充てる学習量は大幅に増える見込みです。高校の情報Ⅰ・Ⅱがあり、PBLがあり、
その先に「探究」が置かれます。探究は二つに整理されます。
教師を起点に共通の課題へ取り組む【テーマ探究】と、
子ども一人ひとりが自分の興味から課題を設定する【マイ探究】です。
 方向は正しい。私は賛同します。
 その上で、一教育者として申し上げます。この二つを現場でどう扱い、どう指導するのか。
子どもたちはどう学ぶのか。相当に難しい。この難しさを直視しないまま制度だけが走れば、
探究はプロセスを回すこと自体が目的になります。
 私が引っかかったのは「マイ探究」という言葉でした。
一人の興味から出発する探究の多くは、一人の限界を超えられないのではないか。かといって……

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