【私教育新聞第133号】教育を変える。未来が変わる。|池森英雄氏「世界の衝突の中で、私たちは何を育てるのか」
2026.05.29(金)
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【教育を変える。未来が変わる。】
「世界の衝突の中で、私たちは何を育てるのか」
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灘中入試が問いかけたもの
2026年度の灘中学校国語入試で出題された「ガザの詩」を読んだとき、私はしばらく言葉を失いました。
詩の中で、子どもは父親と「家」について語り合っています。父が語るのは、家族の団欒があった温かい場所としての「家」。しかし子どもが知る「家」は、空爆によって破壊され瓦礫と化した場所です。同じ言葉でありながら、父と子の間には決定的な断絶がある。世代の断絶という普遍的なテーマの背景に、紛争という現実の残酷さが静かに描かれていました。
わずか12歳の子どもたちが挑む中学入試で、これを出題する。日本の私学最高峰の一つである灘中が、この詩を選んだのです。通常、政治的にセンシティブな題材は敬遠されがちですが、灘中の出題者は逃げませんでした。世界の現実から目を背けず、「君たちはこの現実をどう読み解くか」と問いかけた。そこには、時代を直視する感性と、他者の痛みを想像する力を問うという強い意志が感じられました。
教育とは、単に知識を授け、偏差値という尺度で能力を測るだけの営みではありません。時代をどう見るか、世界とどう向き合うか。その姿勢そのものを育む営みであるはずです。灘中の入試問題は、私たち教育に携わるすべての大人に対し、「私たちは今、子どもたちに何を見せているのか」「世界をどう語っているのか」という根本的な問いを突きつけたように思えてなりません。
終わらない対立と、子どもたちの眼差し
そして迎えた2026年2月28日。アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃開始。連日流れてくるのは破壊と殺戮のニュースです。ウクライナとロシアの衝突も出口が見えません。「まさか21世紀に」と思われた大規模な国家間紛争が、今や日常の風景となりつつあります。
こうした映像と報道を、今の中高生や大学生たちは、スマートフォンの画面越しに日々目にしています。私たちが若かった頃よりもはるかに鮮明に、世界の残酷さを浴び続けている。彼らの心の中には、怒りか、無力感か、それとも諦めか。何が積み重なっているのでしょうか。
私たちワオ・コーポレーションは、50年にわたり学習塾を運営し、多くの子どもたちの受験指導そしてそれ以上に「人間教育」に携わってきました。「志望校合格」という成果を提供することは、私たちの重要な使命です。しかし……
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