フォントの中でホントの話をします。

2022.06.10(金)

モノリスジャパンの大村です。コピーライターです。29歳です。執筆を担当するのはカレコレこれで7回目です。1万字くらいは書いたのではないでしょうか。もう言いたいこと、なくなりました。試しに「僕に聞きたいことありますか?」と同僚に聞いたのですが、ニコっと笑って作業に戻っていかれました。ということで、今日は会社紹介とか諦めて好きなフォントの話でもしようと思います。お暇な方は、さいあく本文は読まなくてもいいのでフォントの画像だけでも見ていってください。

游ゴシック

こんなスタンダードなものを最初に挙げるのもなんですが、結局これが一番いい。さすがにもう飽きてきたけど、初めて游ゴシックに出会った日は感動しました。こんなにシンプルで美しい書体はないと思いました。自己紹介や企画書の導入にぴったり。気取ってない。例えるならUNIQLO Uをサラッと着こなす社会学部3回生男子。くたっと笑う笑顔がかわいくて、じわじわ女子人気が高まっている人。でも長年付き合ってる彼女がいる。そんな感じです。僕はほぼすべての仕事をこのフォント一本で片付けています。

HG創英角ポップ体

架空の雑誌をつくるのにハマっていた時期があるのですが、その時はこのフォントで連載小説を書いていました。シリアスな恋愛小説でしたが、どれだけシリアスな展開にしても深刻さが伝わらないのがツボでした。本当は深刻な状態なのに、それが十分に表現できない。本当にかわいくて、愛されるためだけに生まれてきたような顔つきがたまらなく好きです。姪っ子の顔によく似ています。仕事で使うことは一切ありませんね。大事に育てています。箱入りフォントです。

源暎アンチック

漫画のセリフで使われるフォントに似たフォントです。とても素敵です。何が好きかと言うと、佇まいです。緊張感と親近感が同居しているような風貌がとても好みです。小学校の教室でシャーペンを使っているときの緊張を思い出します。期待と不安が入り混じったような状態。このフォントでコピーを書くと、どんなコピーでも一瞬はそれっぽく見えてしまいます。なので一度、MSゴシックあたりに直して推敲する必要があります。

ヒカリ角ゴ Condensed

これ、めちゃくちゃ洗練されている印象があります。でも僕には、なかなかうまく使いこなせない。企画書にもコピーにも長めの原稿にも試してみるのですが、やっぱりうまく馴染まない。大学1回生のとき、同じサークルの同回に玉木宏そっくりのめちゃくちゃなイケメンがいたのですが、うまく馴染めず3か月そこらで辞めてしまいました。その人に似ている気がします。よく見ると、どこか寂しそうな表情をしています。このフォントは「ヒカリ」という名を冠していますが、人は太陽を見つめ続けることができないように、あまりに美しいものは、かえって人を遠ざけてしまうのかもしれません。それでも、人は美しいものに惹かれてしまうし、目を向けてしまうものです。

Noto Sans JP

素直なフォントです。純真無垢と呼ぶにふさわしいフォントです。僕とNoto Sansの関係は、親と子のような関係だと思っています。あたたかく見守り、ときに手を差し伸べて助ける。Noto Sansに頼まれたら、放っておけないと思います。その日々の中で、いつしかNoto Sansが僕のもとを巣立つときが来て、そのときはきっと手紙でも読んでくれるのでしょう。涙を堪える自信がありません。動画のコンテや企画書に使うことが多いです。企画に余計なノイズを与えにくいフォントですね。

以上です。

気に入ったフォントはあったでしょうか?もしご縁があれば、ぜひ好きなフォントの話をしましょう。僕はまだまだフォントにわかなので、いろいろ教えてくれたら嬉しいです。

では、またの機会に。