【学校パンフレット】モデル選びの成功法則|受験生に響く生徒の選び方と活用事例

2025.06.10(火)

学校パンフレットのモデル選びは、受験生と保護者が受け取る“第一印象”を左右する重要な工程です。本記事では、ターゲットの明確化から選抜基準の設計、デザインへの落とし込みまで、学校パンフレットのモデル選びを成功させる3ステップを具体例とともに解説します。
写真1枚で学校らしさが伝わる――そんな理想のパンフレットを作るヒントをぜひお役立てください。


目次
  1. 1. モデル選びを“なんとなく”から“戦略的”へ
    1. 1-1. 受験生・保護者への第一印象を左右する
    2. 1-2. 学校ブランドの“らしさ”を目に見える形で伝えられる
  2. 2. パンフレットの制作の目的を明確にする
    1. 2-1. パンフレットの制作の目的を明確にする
    2. 2-2. どのような印象を与えたいか明確にする
    3. 2-3. 選んだ人物をどう活かすかを検討する
  3. 3. パンフレットモデル選びの手法3選
    1. 3-1. 生徒会や委員会の委員長などから選抜
    2. 3-2. 立候補制
    3. 3-3. 事務所所属のモデルを起用することも
    4. 3-4. 配布物のため個人情報に配慮する例もある
    5. 3-5. 平等性の担保のためという声も…
  4. 4. 【図解付き】他校の成功事例3選
    1. 4-1. 佼成学園中学校・高等学校
    2. 4-2. 江戸川学園取手中・高等学校
    3. 4-3. 光ヶ丘女子高等学校
  5. 5. 【まとめ】モデル選びで一番大切なこと
  6. 6. 【FAQ】

「誰を表紙に載せるか」は、意外と悩ましい

「毎年なんとなくで選んでいる」「基準がわからない」——そんな声も多い“モデル選び”。パンフレットは学校の“顔”だからこそ、表紙に登場する生徒の選び方には、戦略的な視点が欠かせません。

この記事では、モデル選びの基本から他校事例、活かし方までをわかりやすく解説。生徒写真の意味や影響を見つめ直し、学校の魅力が伝わるパンフレットづくりをサポートします。

1. モデル選びを“なんとなく”から“戦略的”へ

パンフレットに登場する人物は、ただの「写真の主役」ではありません。受験生や保護者にとって、その姿は“学校の象徴”として目に映ります。だからこそ、誰を、どんな表情で、どんな雰囲気で登場させるかが、学校の魅力を伝えるカギになるのです。

1-1. 受験生・保護者への第一印象を左右する

パンフレットは、初めて学校に触れるきっかけのひとつ。表紙に登場する生徒や誌面の写真から「楽しそう」「落ち着いている」「活発そう」など、さまざまな印象が読み取られます。
選ばれた人物の表情や雰囲気が自然であればあるほど、「この学校、いいかも」とポジティブな印象を持ってもらえる可能性が高まります。逆に、ぎこちない表情や違和感のある構成だと、不安を与えてしまうことも。
第一印象は、一度しか与えられません。だからこそ、パンフレットに登場する人物の選び方には、丁寧な視点が求められます。

1-2. 学校ブランドの“らしさ”を目に見える形で伝えられる

学校のブランドとは、単に偏差値や進学実績だけではなく、「どんな生徒が育つのか」「どんな空気の中で学べるのか」といった、“雰囲気”や“価値観”の総体でもあります。
パンフレットに登場する人物は、そのブランドを視覚的に表現する存在です。表紙に写る生徒の姿を見て、「この学校にはこんな生徒がいるんだ」と感じられることは、言葉以上に学校の魅力を伝えてくれる要素になります。
つまり、モデル選びは、学校の“らしさ”を形にするブランディングの一環。広報全体の印象を左右する重要なパートなのです。

2. 学校パンフレットのモデル選び!3つのポイント

モデル選びに迷わないためには、まず「なぜ載せるのか」「誰に何を伝えるのか」を明確にすることが大切です。

2-1. パンフレットの制作の目的を明確にする

学校案内パンフレットの表紙にどのような写真を採用するか、生徒なのかモデルなのか――これはパンフレットの制作初期段階で必ず議論される重要なテーマです。表紙のビジュアルは、読者が最初に目にする「学校の顔」。その”顔”として採用する写真も、モデル選びの基準も、パンフレットの目的を明確にすることで自然と定まります。

リアルな表情や仕草は、受験生や保護者に「共感」と「未来の自分」を想像させる力を持ちます。イラストや抽象的なグラフィックも選択肢に入れたうえで、「なぜ写真なのか?」をしっかり言語化することで、説得力のあるパンフレット作りにつながるでしょう。

「教育方針の中核に“生徒の主体性”があるため、その姿を見せることが最も学校らしさを伝えられる」「校舎などハード面よりも、“日常の温かみ”を伝えたい」といったように、選択の理由を制作チーム内で共有しておくと、より統一感のある表現ができます。

2-2. どのような印象を与えたいか明確にする

生徒を起用する場合でもモデルを起用する場合でも、どんな印象を読者に届けたいのかを明確にしましょう。目的に合った人物像を明確にし、選定のプロセスを可視化していくことが大切です。

明るく元気な校風を伝えたいのか、落ち着いた学びの空間を強調したいのか、学校によって「伝えるべき雰囲気」は異なります。その印象にふさわしい人物像を意識することで、写真のトーンやレイアウトにも一貫性が生まれます。

“誰を見せるか”より“何を伝えたいか”が重要です。校風や教育方針をイメージとして定着させるためには、モデル選びの段階から明確な意図を持って取り組みましょう。

もし「なぜこの生徒なのか」「何を伝えたいのか」が曖昧なまま進めている場合は、いったん立ち止まって再検討することも必要です。無理に表紙を生徒写真で構成する必要はありません。学校の理念や方針に合致した表現方法を選ぶことが、読み手に伝わるパンフレット制作の近道です。

再検討は後退ではなく、意味のある前進です。迷いがあるなら、「誰に何をどう届けたいか」という原点に立ち返るチャンスと捉えましょう。

モデル選抜事例の一覧
・自立した女性の育成を訴求するために、凛とした佇まいや「目力」がある生徒を選抜
・部活動の活発さをPRするために、部活動のキャプテンを選抜
・中高のパンフレットを並べた際に、「中学生らしさ」「高校生らしさ」が対比される人選に
など

2-3. 選んだ人物をどう活かすかを検討する

せっかく時間をかけて選んだモデル。その魅力を最大限に活かすためには、「誰を載せるか」だけでなく、「どう見せるか」も同じくらい大切です。

たとえば、モデルの表情やポーズ、衣装、背景、キャッチコピーとの組み合わせなど、デザイン全体の構成によって伝わり方は大きく変わります。真面目さを打ち出したい学校であれば、落ち着いた表情で制服姿を、のびのびとした雰囲気を伝えたい学校であれば、自然な笑顔と柔らかい色合いの背景が効果的かもしれません。

モデル選びは“スタート地点”。その後のパンフレット全体の設計が、「学校らしさ」を余すことなく伝えるポイントになります。採用した生徒の魅力がしっかりと引き立つよう、写真の使い方や誌面構成を丁寧に検討していきましょう。

3. パンフレットモデル選びの手法3選

他校の事例を知ることで、自校に合った選び方や工夫のヒントが見つかります。

3-1. 生徒会や委員会の委員長などから選抜

学校内でリーダーシップを発揮している生徒を起用する事例は多くあります。これは「リーダーを育てる学校です」というメッセージを、写真を通じて視覚的に伝える手段として有効です。学業面や生活面でも模範となる生徒を登場させることで、学校の信頼性や教育力も訴求できます。

3-2. 立候補制

モデルを立候補制で選ぶ学校も増えています。この方法は、生徒の主体性や挑戦する姿勢を学校が大切にしていることをアピールする上で非常に効果的です。 「自ら手を挙げた生徒」が登場することで、パンフレットに込められた学校の方針が明快に伝わります。

3-3. 事務所所属のモデルを起用することも

在校生を使わないという選択肢もあり、広報上の安心感や平等性の観点から注目されています。

■ 配布物のため個人情報に配慮する例もある

特に女子校などでは、在校生のプライバシー保護の観点から、事務所に所属する外部モデルを起用するケースが多く見られます。写真の活用範囲が広いパンフレットでは、こうした配慮が重視されることがあります。モデル契約により使用範囲を明確にできるため、広報物の管理・活用に安心感があるのも利点です。

■ 平等性の担保のためという声も…

「誰か一人を選ぶと不公平」という理由で、生徒を起用しないという判断をする学校もあります。外部モデルを使うことで、校内での調整を避けられるメリットも。平等性に配慮しながら、学校のイメージをコントロールできるという意味で、事務所モデルの活用は選択肢のひとつです。

4. 【図解付き】他校の成功事例3選

4-1. 佼成学園中学校・高等学校

背景紙にもこだわり、1枚写真で「男子」を魅せる

「BOYS」を強調させる意味でも5名の生徒が登場。合成ではなく1枚写真によるインパクトのあるビジュアルを実現しました。高校生は凛々しく、中学生は初々しく、中高で表情に差をつけた演出も行っています。

4-2. 江戸川学園取手中・高等学校

写真とコピーで、学校のイメージを変える

「校則が厳しそう」「勉強ばかりで大変そう」といった事実と異なるマイナスイメージを持たれていることに課題を感じていらっしゃった広報ご担当者様。そんなイメージを払しょくするため、前半7見開きを「1枚写真と生徒の心情を描いたコピー」だけで構成することで、“勉強を頑張りながらも楽しい学校生活を送る生徒のリアルな姿”を印象的に訴求しました。

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4-3. 光ヶ丘女子高等学校

【番外編】表紙に生徒を起用せず、成功しているパンフレット事例も

「人の、光に。」というフレーズを軸に、一貫性のある訴求・表現に。

「人の、光に。」というコンセプトフレーズを制作し、その言葉を踏まえて光・輝き・希望をテーマにシンボルマークをつくりました。
表紙および中面は七色に輝くオーロラカラーを基調としたデザインに。あえて華美な装飾は施さずに、生徒の内なる輝き、世界を彩る輝きをシンボリックに表す紙面展開としています。

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5. 【まとめ】モデル選びで一番大切なこと

最終的に求められるのは、“誰を載せるか”よりも“どんなメッセージを届けたいか”です。

受験生と保護者に伝えたいメッセージを明確にすること

最終的に一番重要なのは、どんな印象を与えたいかを明確にし、そのメッセージにふさわしい生徒を選ぶことです。

モデルは「誰でもいい」わけではありません。学校が伝えたい価値観や空気感を体現できる存在であるかが鍵です。だからこそ、メッセージ設計を第一に考えることが、成功するパンフレットづくりへの第一歩となります。

パンフレット制作は単なる広報活動ではなく、学校のブランディングです。表紙で“どんな学校なのか”を読み手が感じられるよう、ビジュアルとストーリーが一致したデザインを意識しましょう。

6. 【FAQ】

最後によくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

Q1. 容姿も関係する…?

モデル選びでは「見た目」よりも“親しみやすさ”や“共感性”が重視される傾向があります。

学校パンフレットのモデルの選抜基準は容姿だけではない

「パンフレットだから見栄えの良い生徒を選ぶべき?」と思われがちですが、重要なのは“印象”です。学校のリアリティや価値観を伝えるうえでは、自然な笑顔や姿勢、清潔感などが重視されます。過度に美しいモデルよりも、親しみやすく“ここにいる生徒”として共感を持ってもらえることが大切です。

また、読者の多くが“自分との距離感”を無意識に測っています。「この学校、親しみやすそう」と感じてもらえるかどうかがカギになります。

Q2. 学校パンフレットの表紙は生徒写真でなければならない?

写真以外にも、イラストやシンボルなど表現の選択肢は多様にあります。

無理に表紙に生徒写真を使用する必要はない

表紙には必ず生徒を使わなければならない――そんなルールはありません。イラストやグラフィックで校風を表現する方法も、個性的で印象に残る手段です。

手描き風のイラストや、象徴的なモチーフを使った表現は、「この学校はちょっと違う」と印象づける力も持っています。学校の教育方針や世界観に合わせて、もっと自由に考えていいのです。

Q3. モデルを通じて伝わる学校のブランドとは?

パンフレットに登場するモデルは、学校の“広告塔”であると同時に、“ブランドそのもの”を象徴する存在です。

写真から伝わる“学校の空気感”

たとえば、表紙に登場する生徒の笑顔が自然であれば、「この学校はのびのびしている」「雰囲気がよさそう」といった印象が伝わりやすくなります。これは単に写真の良し悪しだけでなく、学校の教育方針や日常の空気感がビジュアルを通して伝わっているからです。

パンフレットの読者(受験生や保護者)は、そこに登場する生徒の姿を見ながら、「ここに自分(自分の子)が通ったらどんなふうになるか?」と想像を膨らませます。そのとき、写真から伝わる空気が、学校に対する“ブランド印象”の第一歩になるのです。

モデル選びは戦略的なブランディング

特に、言葉では伝えにくい“あたたかさ”や“信頼感”、“自由さ”といった要素は、モデルを通じて感じ取ってもらうのが効果的です。つまり、パンフレットの写真は「学校らしさを語る、もうひとつのメッセージ」として、重要なブランディングの役割を果たしています。

こうした視点を持つことで、「モデル選び」や「撮影時の表情・シチュエーション」が、単なるビジュアル選定ではなく、学校の方針や姿勢をどう伝えるかという“戦略的な設計”であることが見えてきます。


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